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新年前のメディナがおせちを作るようです

今年最後の更新(と言ってもPixivにさきにあげましたがが)
来年はしろくろにっきを完成させ、ちゃんと『これがうちの子!』ってのが出来たらいいなぁと思う次第です。

それを考えるとこのメディナ。責め役として安泰の地位にいるんですよな。恐ろしいぜ。

来年もよろしくお願いします。

あ、『おせち』とあるように今回は食品化です。おまけで食べます。ご注意を
「あー、全くクソ寒いですの。今年は時期を逃してしまいましたの」
電柱に立ちながら周囲を見回す少女が1人。メイド服を身に纏った褐色の少女。緑色のウェーブヘアが寒風に揺れる。
「クリスマスにまたあれこれやろうと考えてたのに……。これもそれもあの変な組織のせいですの!」
ぷんすか怒りつつ、少女――メディナは右手をグーパーしていた。

クリスマスの日、メディナはとある組織に捕まえられ、ある魔法を覚えさせられていた。
本来であればその場で魔力の1発や2発でも打ち込んで滅ぼすことも出来たが、魔力の放出を封じられたメディナは、不届きな相手に対し、どうすることも出来なかった。
その結果、解放されるまでの間、みっちり訓練をやらされるハメになったと言う訳だ。

「それで覚えさせられたのが――何だかよくわからないけど試してみるですの」
人が来たことを見計らい、電柱から飛び降りるメディナ。ふわりと着地すると、目の前には面食らったかのような顔をしたスポーツ少女が1人立っていた。
「空から人が!?」
「そんな訳ねーですの。良いから食らうですの!」
右手を突きつけるメディナ。彼女の淡く手が発光し、少女を包み込んでいく。
「うわわ、なに――あれ、足の痛みが引いてる?」
「は? まさかこれ、回復魔法?」
メディナがいぶかしげな顔をする。もっと力を入れて見るも出力があがらず、淡い光は淡々と少女を包み込んでは傷を癒やしていく。
「うーん、何だか気分もよくなってきて、身体もぽかぽかしてきたかも」
気分良さそうな少女とは正反対に、メディナの顔からは怒りがこみ上げてくる。
まさか、予定日を潰してまで覚えさせられたのがこれだとしたら――これほどまでの怒りはない。
その怒りが爆発寸前まで行きそうになった時、少女の顔色が歪んだ

「ねぇ、そろそろ部活行きたい。というより、身体が、あつくて苦しい……」
「ん? どうかしたのです?」
「あつく、て……う、あ、ぁぁぁ」
少女が手に持っていたバッグを取り落とし、身をかがめ始める。よく見ると少女の身体はほんのり黄色に染まり始め、徐々に広がりを見せ始めていた。
「ずいぶん苦しそうですの、仕方ないのでメディナの回復魔法で安らぐと良いですの」
怒気は晴れ、加虐の笑みでさらに光を当て始める。少女の身体は見る間に黄色を帯びていき、全身にまで及ぼうとしていた。
「あつ、い、身体が焼ける。たすけ」
身体を振るわせながら、全身が黄色に染まった少女は、そのまま動かなくなる。
全身を染め上げていた黄色は次第に落ち着きを取り戻し、濃さを増していった。

「あらら、変色しちゃったですの。これは何ですの? 変なのですの」
首元を掻きつつ、黄土色になった少女を観察するメディナ。すると、何かがぺり、と外れた。
「……何ですのこれ、外れたとたん便器のクソ詰まりがよくなったかのように軽くなったですの」
指に付いていたのは生体魔力を制御するチップだった。このせいでメディナの魔力は流れを悪くされていたのだ。そして、枷が解き放たれると流れも当然よくなる。
「なーるほど。あの雑魚人間どもはぶち殺すとして、今はストレス発散ですの」
チップを握りつぶし、黄土色になった少女を空間転移で収納する。

メディナの手のひらを白く輝かせているのは間違いなく彼女本来の持つ力。
ここから先は彼女の独壇場。落ちたスマートフォンが指し示す――12月31日、新年前最後の大惨事が幕を開けた。

「キャー!!」
悲鳴とともに買い物袋が落ち、買い出し用のジュースや野菜が転がり落ちる。。
「さぁまずはお前から――もう変わっちゃったですの」
「な、何この人」
「真っ茶色になって……なんで?」
すでに彼女の足下には買い物袋の持ち主だった、焦げ茶色の女子像。目をつむり、顔を伏せる姿とは対照的に前のめりなのは、買い物袋の重さに耐えかねたからだろう。
逃げ遅れた少年少女はメディナの前に恐れおののき、戸惑うばかり。
「まぁ良いですの。メディナは新年を迎えるに当たって非常に良いことを思いつきましたの」
『だから変わってしまえ』その言葉と共に放たれる白い光。子供3人は光を浴びると見る間に茶色に、そして赤色に変化し、物言わぬ姿のまま草むらに鎮座した。
メディナは単色だけとなった少年少女回収し、次の目標を定める。

新年を前に豪華な着物を纏い、わいわいと練り歩く女子高生達。
その一向に『えい』と光を浴びせてしまえば、3人とも驚いた顔のまま真っ白に変色してしまった。
服だけは少しずつ繊維に残った色のせいか黄色みを帯びていくが、特に問題はない。
これもメディナは回収。だが、異変を見て逃げようとしていた親子連れも見逃さなかった。

「なんで逃げちゃうのです? メディナが怖いですの?」
「この子達だけは見逃してください。どうか……」
その嘆願をメディナは聞き届けたかどうかは知らない。だが、メディナはにっこりとほほえみ、母親であろう女性に発光する手をくっつける。
「うんうん、ちゃんと聞いたですの」
見る間に女性の肌や健康的な目元、口元の色が消し飛び、真っ白な肉の像が出来上がった。
「さぁて……お母さんと一緒の方が、きっとこれから苦しまずに済むですの」
その笑みは母親に向けた物と同じ笑み。子供達はただ、目の前にいるメディナが見せる狂気に震えるだけだった。

そこから先はハッキリ言って、よく覚えていない。
いちゃついていたカップルを変えたりもしたし、警官も変えてしまった。
流石に怪しいそぶりをしていたのがまずかったのだろう。それでも気にくわなかったのでカップルはピンクと黄色に。警官は黒く染まてしまった。

そのたびに空間転移で回収していたが、飽きてきたのか集まっている一帯に光を浴びせもした。
そこは、ちょうど新春芸のリハーサル中だった舞台前。少女達がダンスを披露している真っ最中だった。
「苦しい、苦しいよぉ」
「さ、寒い。寒い……」
「ママぁ」
少女達に光が当たると苦しみだし、赤や緑、オレンジ、青と内側から染まっていき、倒れていく。
観客席では踊っていた少女達に起こった事態と同じことが置き、パニックに陥っていた。
押し合いへし合いになりながら肉の像に変化した観衆は、潰されたことで異なる色の像が混じり合い、辺りにはグロテスクな色をした肉のミンチが広がっていた。
「もうこのぐらいでいいですの。お楽しみはこれからですの」

舞台上で転がっていた少女達を手早く回収すると、メディナもまた舞台上から姿を消した。

新年早々に30人もの人物が消えた怪事件は、ネット上で瞬く間に話題になった。
しかし、報道機関は一切報道することもなく、証言者の居ない怪事件は沈んでいくのがオチという物である。



そんなことなどつゆ知らず、メディナは空間転移で回収した15名にも及ぶ少年少女を並べ、どれから手を付けようか考えていた。
ここがどこにあるかは全くの秘密、強いて言えばメディナの隠れ家と言ったところか。清潔で広いキッチンは、料理番組にも使われそうなほど上品だった。

全てきれいに洗浄し、汚れのないよう浮遊させる徹底ぶりだ。
「うーん、ここは最初に手を付けた子からですの」
黄土色のスポーツ少女を手元に寄せ、縮小と溶解の魔力をかける。縮むと同時に頭から溶けていき、ボールの中に収まっていく。この黄土色の液体に塩や砂糖。そしてあらかじめ縮小した焦げ茶の少女像を煮詰めて採っただし汁。それらを混ぜ合わせ、フライパンで焼き始めた。
『焼かれてる……このまま食べられちゃうのだろうな……』
「しかし、考えたこととはいえ手がかかりますの」
少女の断末魔にも似たつぶやきには目もくれず、液体を焼き上げるメディナ。次の仕込みにかかりながらも彼女は、自分の行いを悔やみもした。

メディナが思いついたこと。それは『おせち』だった。
おせちは言うまでもなく新年の数日をかけて食すたべものであり、その全てに意味があると言われている。
そんなことなどどうでも良いが、黄土色の少女を見て、今日の日付を知った瞬間にメディナの頭の中で思いついてしまったのだから、もはや仕方ない。

「さて、焼き上がったのを待つに他のを作ってしまいますの」
2つの鍋を用意し、水や調味料を入れる。そして半ズボン少年の身体を宙に浮かせて、平べったく伸ばしていった。
『身体がぺらぺらに! 離せ、はなせよぉ!』
「子供でもここまで伸びるんですね― えいっ☆」
メディナは容赦なく焦げ茶色の子供を6分割に切り分け、鶏肉のミンチを詰めてクルクルと巻く。これをたこ糸で縛り、しっかり煮れば『昆布巻き』の完成だ。
もちろんメディナははまだ手を休めない。
遊んでいた長ズボンの少年を宙に浮かせると、今度は丹念に魔力を注いでいく。すると少年の身体からにょきにょきと椎茸が生え始め、少年の原型が崩れていく。
同じく焦げ茶だった少年は椎茸となり、『椎茸の含め煮』として生まれ変わるだろう。

「あとはー……コンロは足りるからもう1つ作りますの」
逃げそびれていた親子にそれぞれ縮小魔法をかけ、フードプロセッサーに放り込むメディナ。
『いやあぁぁぁぁ!!!』
『お母さん、お母さん! 消えちゃう、お母さんと、1つに――!』
スイッチを入れればバラバラに砕け、撹拌されていく2つの肉体。体積を細かく調整しているためか、混ぜ合わせるごとにどんどん容積が膨れあがり、赤と白の混ざったふっくらとしたピンク色に仕上がった。
『ぼくの身体、すりつぶされてる、どんどん、つぶになって……』
同様に真っ白になった少年もミキサーで細かく砕かれ、魔力の腕によって別の容器に移された後、すり鉢で徹底的にすられて空気と混ぜられていく。

ここから調味料を加えたりするのは、全て"魔力の腕"と呼ばれるメディナの魔力が生み出した擬似的な腕の仕事だ。上手くいけば色鮮やかな『かまぼこ』が2本出来上がる。時間はかかるがさぞかしおいしいのだろう。

「さて、焼き上がった頃ですの。これを……もうクルクルしてますの」
魔力の腕によって巻かれた伊達巻き――いや『卵焼き』は作り方を間違えたか、ふっくらとはしていないが良い焼き加減になっていた。
失敗したいらだちのまま、メディナは黄色く染まったカップルの片割れと、黒く染まった警官らしき女性2体に魔力を注ぎ込む。
2人の身体は硬化していき、黄色い像の表面は甘い香りとともにねっとりと半透明になっていき、黒い像はアメのような光沢に覆われていく。
『やだやだ! たべられるならダーリンに』
『私、まさかこのままおいしく』
これをバラバラに砕くと、黄色は『栗きんとん』、黒は『黒豆もどき』の出来上がりだ。肉だった部分がきんとんとなり、骨だった部分は栗に。そしてメディナはそんな幸せそうな栗きんとんの顔をめちゃくちゃに砕いたのだ。

「あとは餅巾着があれば十分ですの。でもこのままにするのももったいないし……一緒にさっと煮ちゃいますの」
残った少年少女は洋服だった巾着に押し込まれるかのように突っ込まれた『餅巾着』少女と一緒に鍋に放り込まれ、湯通しされていく。赤、オレンジ、青、緑……色とりどりの『少年少女の湯通し』がどんな味かは食べてみなければわからない。


「ふぅ、作ってみると大分疲れますの。もうこんな厄介ごとごめんですの」
おそらく暴れる以上に魔力と体力を消費したのだろう、メディナは馴れない作業にくたびれ果てていた。
魔力の腕を使っても考える頭は1つだけ。くたくたになりながらも魔力を必死に制御し、何とか出来上がった料理を重箱に収めることが出来た。

「もう食べる気おきねーですの。冷蔵庫の中に入れておけば少しは日持ちするはずですの」
作るのに精魂使い果たしたのか、メディナは色とりどりの重箱にふたを閉める。
少年少女を小さくし、着色したた色鮮やかな姿煮から、とても元人間とはおもえないかまぼこや昆布巻き。
そして人だった面影を残し、乱雑に砕けた黒豆もどきと栗きんとん。
どれも手を付けないのがもったいない料理の数々だが、今のメディナにとっては至極どうでも良い産物だった。

『人間を変化させ、おせちを作る』と言う目的を果たしたメディナのおもちゃ箱はふたを閉じられ、冷蔵庫の中に納められる。
「とりあえずカップラーメンでも食べてゆっくりごろごろしますの」
そして全てをなげうつかのようにテレビのスイッチを付け、ニュースの一切ない、新年までのひとときを楽しむのであった。


おわり


◆メディナがおせちを食べつつ、何かつぶやくそうです

「お腹すいたですの……」
「そういえば作っていたおせちがありましたの。アレでもつまみますの」
「我ながらよくできた物ですの!(どや顔)」
「さて、どれから食べようか……軽く湯通しした物から食べてみますの」
「んー、骨まで柔らかくなってるのは予想外でしたの。色は変だけどエビみたいですの」
「男の子は濃厚だし、女の子の方は少しすっぱめですの。頭だけをとって――チューッと味噌だけ吸ってる見るのも悪くないですの」
「あとはくしを突っ込んでかき回して、ご飯にかけてもおいしそうですの。ちょっと小さいけど」
「ダンスしてたのは流石に身が引き締まってぷりぷりしてますの。あのカオス挽肉どもになんてもったいないですの」

「次はこの出来損ないの卵焼きですの。伊達巻きにしようと思ってたのに」
「……少ししょっぱいですの。塩味が効いてるけどほんのり甘い感じですの」
「素材が元気で新鮮だから味もバッチリですの、栄養も何となく付きそうですの」
「うち捨てられるより食べてしまった方があとも残らないですの。メディナも中々良いことを考えるのですの」

「合間合間に栗きんとんですの!」
「――クソ甘いですの。頭痛くなりそうなぐらい自己主張しやがるのですの」
「こんな時は昆布巻きですの。味は濃いけどこっちはかみ応えで自己主張しやがりますの」
「あ、頭だけ残ってるですの。『やだやだー、食べられるならダーリンに食べられたいのー♪ ダーリンの栄養になりたいのー』ってか」ムシャァ
「そんなダーリン含めて腹の中に入るかはメディナの気分次第ですの。ダメだったら犬にでも食わせるですの」
「まぁ昆布巻きは良い出来ですの。ぐつぐつ煮込んでしっかりしてるのを柔らかくした甲斐がありましたの」

「人間を食べてるせいか、何だか気分も出てきましたの。次は――黒豆かな」
「……ネットリしてますの。婚期を急いでいるかのごとく粘着質ですの、あの見た目で少し古いのもびっくりですの」
「パス、かまぼこですの! ピンクと白、板は適当に見繕った物だけど形にはなりましたの」
「ピンクの方はちょっと粗くなっちまったですの。味は良いけど作り方の問題ですの」
「まぁ親子共々混ざって1つのかまぼこになったんだからいいですの。メディナはいい子ですの」
「そのはみ出し物は――あ、こっちいける。フワフワしてますの」
「すり鉢ですって粗さを無くすだけで味も違うですの。今度はこれで作ってみますの」
「どっちも怯えてただけに身が固いかなと思ったけど、メディナのがんばりでフワフワになってますの」

「あとはー、餅巾着と椎茸ですの」
「どっちも出汁が効いてるけど、もうお腹いっぱいですの」
「正直作りすぎ感がありますの。適当に人を拉致ってお裾分けでもしますの」
「でもメディナのおせちを人間どもが食べられるのですから、泣いて喜ぶに決まってますの」

「……ところで、この魔法って結局なんですの? 回復魔法でもないし状態異常でもない、お菓子にする魔法でもないですの」
「まぁメディナには無用の産物ですの。見せしめ魔法ってことであつかうですの!」
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